activities|社会を読みかえる

九州大学ソーシャルアートラボ公開講座

近年、音楽ホールや美術館に限定されない場で多様なアート実践が次々とおこなわれ、アートの外延が広がっています。また、社会的な課題に対してアートを活用することへの期待も高まっています。こうした状況の中、九州大学ソーシャルアートラボではアートを「世界の見え方や関係性を変える仕掛け」と捉え、アートと社会の関係性をあらためて問いなおします。

 

ソーシャリー・エンゲイジド・アート(社会と関わるアート実践)をテーマとした第1回の講座では、ゲストに金沢21世紀美術館キュレーターの鷲田めるろさん、アーティストで秋田公立美術大学教授の藤浩志さんをお迎えしました。

鷲田さんからは、能登で実施したアートプロジェクトの事例とともに、美術館やキュレーターの既存の役割の読みかえの可能性についてのお話がありました。藤さんからは、たくさんの興味深い事例とともに、参加者の主体性を引き出し、様々な関係を結んでいく仕組みの重要性について話していただきました。

講座は3時間半におよぶ長丁場でしたが、会場に集った60名の参加者は、ゲストの話に熱心に耳を傾けていらっしゃいました。今回の講座が、参加された方にとって新しい刺激や思考のヒントになれば幸いです。

第二回の一人目のゲストは、“平屋フリーク”のアラタ・クールハンドさん。アラタさんは、東京や九州の様々なフラットハウス(平屋)とそこに暮らす人々の価値観を紹介しながら、自分の手で生活やコミュニティを作るという、地に足のついた営みの醍醐味をお話しされました。

二人目のゲストは、“REAL TOKYO”や“ART iT”等のウェブマガジンを多数刊行する編集家の小崎哲哉さん。小崎さんは、20世紀に人類が犯した愚行を集めた写真集「百年の愚行」の編集者でもあります。この写真集にフォーカスした今回のプレゼンテーションでは、世界を俯瞰することで浮かび上がる物事のつながりや同時代性がありありと浮かび上がってきました。

後半は、進行の藤枝守先生とコメンテーターの池田美奈子先生も交えたクロストーク。他の誰かが決めた価値観に縛られるのではなく、想像力を働かせ、自分が本当に豊かだと感じる環境をつくるための能動的な姿勢の重要性などが、テンポよく熱く語られました。

第三回は、東京から榎本了壱さんと萩原朔美さんにお越しいただき、親密で楽しいトークの時間となりました。

 お二人は1970年代〜1980年代に渋谷を若者文化の一大中心地にしてきた仕掛け人ですが、その手段の一つが雑誌でした。1974年から1985年まで創刊されていた雑誌「ビックリハウス」には、現状に対する不満をパロティーやジョークで新たな表現につなげていくセンスと技術がちりばめられており、当時の若者に相当な刺激を与えたそうです。当時はほとんどなかった読者参加型の企画には、大槻ケンヂさんや竹中直人さんも投稿していたといいます。

 今回の講座のキーワードは「カウンター」。「ビックリハウス」のほかにも、萩原さんは実験映像を、榎本さんは展覧会のプロデューサーなどを手掛け、常にカウンター精神で時代の先端を切り開いていました。誰もができることではありませんが、不満な日常も面白く読みかえ、それを他の人と共有するために工夫をするという点は、規制だらけの現代社会を生きる私たちにとって、大きなヒントになったと思います。

受付終了いたしました

日程:

第1回 2017年6月27日(日)

第2回 7月30日(日)

第3回 8月27日(日)

  各回;14:30-17:00

 

場所:

旧大名小学校内  福岡市スタートアップカフェ(福岡市中央区大名2-6-11)

 

対象:

文化事業や地域づくりに関わっている方

将来関わりたいと考えている方

※要申し込み

チラシ(PDF)ダウンロード

九州大学大学院芸術工学研究院 ソーシャルアートラボ事務局

815-8540 福岡市南区塩原4-9-1

092-553-4552

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