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やってみよう!評価でひらく“社会包摂×文化芸術”ハンドブック

2021.4.6

文化事業の評価が有意義なものになるかどうかは、評価に「柔軟に」アプローチできるかどうかで決まります。一般的な評価のテキストには、最初に事業の目的・目標を定め、それらが達成されたかどうかをチェックする道筋が書かれています。手軽な料理のレシピや組み立て家具のマニュアルのように、説明された手順に従っていきさえすれば、うまくできるかのような印象を受けます。

しかし文化事業では、長期的な目的は変わらなくても、短期的な目標は途中で変更されることがあります。また、社会包摂につながる芸術活動では、最初に目標設定すること自体が難しい場合も少なくありません。こうしたケースでは、事業の目標設定と評価の対象設定を柔軟に調整しながら、事業と評価を進めていくプロセスが必要になってきます。

本ハンドブックでは、そうした柔軟なプロセスを可視化しようと努めました。冒頭のワークシートは、一般的な評価のテキストに比べると、少し複雑に感じられるかもしれません。しかしこれは、評価を有意義に活用しながら文化事業を行なっている人たちの手順を再現したものです。今回のハンドブック制作では、この流れを整理するのにもっとも時間と労力を費やしました。ぜひご活用いただき、改善が必要な点などありましたら、ご指摘いただけるとうれしく思います。

編    文化庁×九州大学 共同研究チーム(研究代表者 中村美亜)
執筆 中村美亜、長津結一郎、村谷つかさ、南田明美、NPO法人ドネルモ
編集 NPO法人ドネルモ
デザイン 長末香織
発行 九州大学大学院芸術工学研究院附属ソーシャルアートラボ
*本ハンドブックは、文化庁と大学・研究機関等との共同研究事業「文化芸術を通じた社会包摂のための事業評価ハンドブックの作成」の研究成果に基づいています。
出版年月日 2021/03/25 | A5並製・84ページ