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(2020年2月7日開催)公開ディスカッション アート活動を通した共生社会の創造 vol.2

2020.1.26

マネジメントに必要な力を考える

九州大学ソーシャルアートラボ シリーズ「アートと社会包摂」公開研究会

 九州大学ソーシャルアートラボでは、「アートと社会包摂」をテーマにアートマネジメント人材育成事業を3カ年計画で行なっています。社会包摂につながる文化芸術の状況整理を行った初年度につづき、2年目にあたる今年度は、実践講座と調査研究を通しマネジメントに必要な力とは何かを考えています。ソーシャルアートラボの教員・スタッフに加え各事業で協働した団体のみなさんが集い、今年度のプロジェクトを振り返るとともに、次年度の事業にむけた要点整理を行います。アート活動を通した共生社会の創造に必要なアートマネジメントの視点とは何か? 今後考えていくべき課題は何か? 来場者のみなさまと一緒に考え、語る場をひらきました。


社会包摂につながる芸術活動のアートマネジメントに必要な視点は何か?をテーマに、ソーシャルアートラボ(SAL)がこれまでの経験を紡いで提案する「【暫定版】アートマネジメントに必要な7つの視点」を軸に、公開で議論する場を開きました。今年度、SALが実施した事業の関係者が一堂に介し各成果を発表するとともに、参加者を交えて本テーマの課題や要点について考え、語り合いました。SAL事業への参加経験者を始め、大学関係者、中間支援組織やNPO法人の方など約30名(九州各県を中心に、東京・神戸・三重など)にご参加いただきました。


 前半はSAL教員・スタッフより、実施した調査研究や実践講座の概要を「7つの視点」に沿って説明しました。実践講座に関しては、森山淳子氏(認定NPO法人ニコちゃんの会)、尾藤悦子氏・柳和暢氏(共星の里)、ファン・ポウェイ氏(特例認定NPO法人山村塾)に、各講座の協働団体の側からコメントをいただきました。つづくワークショップを通して、参加者から集めた話題を基に、後半は大澤寅雄氏(ニッセイ基礎研究所)がモデレーターとなり、SAL教員3名と宮田智史氏(NPO法人ドネルモ)が、会場からのコメントや質問を交え議論をしていきました。また、リアルタイムで議論をグラフィカルに表すことで、話された内容の共有をはかりました。


 本会では、「障害のある人との舞台表現を行うために必要なことは、特別なリスクマネジメントよりも、まずは人として互いに知り合うことである」や「被災地に地域外の人が、自分ごととして関われる仕掛けをつくることで、『関係人口』を増やすことが大切である」など、活動を行う際に大切な点が共有されました。また、会場からは「アートによるコミュニケーションで何が生まれる?」「アートマネジメントって、いったい何?」などの話題が寄せられました。今回行なった議論から更に深めていくため、次年度に向けた事業計画をすすめてまいります。「7つの視点」とは何なの?など気になると思いますが、、詳しくは、次年度の活動をお待ちください!


 ご参加いただいたみなさま、ご協力いただいている協働団体のみなさま、UDトークを頑張ってくれた学生のみなさん、本当にありがとうございました。

photo: 長野聡史

■公開研究会スケジュール(当日変更の可能性有り)
 14:00 開会
    今年度実施した事業の報告
     *内容は下記「今年度のアートマネジメント人材育成事業」参照
    ワークショップ
    ディスカッション
 17:00 閉会

■今年度のアートマネジメント人材育成事業
 実践講座① 「演劇と社会包摂」制作実践講座
  障がいのある人とのコミュニケーションや芸術実践を学ぶ
  協働団体:認定NPO法人 ニコちゃんの会
 実践講座② 九州北部豪雨災害復興支援プロジェクト
  災害被災地でアートを通した支援活動を学ぶ
  協働団体:共星の里
 実践講座③ 奥八女芸農プロジェクト
  半農半芸の国際ワークキャンプでリサーチ型アートプロジェクトを学ぶ
  協働団体:特例認定NPO法人 山村塾
 「アートと社会包摂」公開講座
  セクシュアリティ、団地、在日コリアンに関するアートを学ぶ
 教材開発
  社会包摂に資する芸術活動を推進する人材を育成するためのハンドブックをつくる
  協働団体:NPO法人ドネルモ、文化庁地域文化創生本部
 人材育成モデル検討会
  実践講座・調査研究をもとに人材育成モデルを構築する

■登壇者(予定)
 九州大学ソーシャルアートラボ(SAL)
  尾本章(本学教授、ラボ長)
  中村美亜(本学准教授、副ラボ長)
  知足美加子(本学教授)
  朝廣和夫(本学准教授)
  長津結一郎(本学助教)
  村谷つかさ(SAL 学術研究員)
  白水祐樹(SALテクニカルスタッフ)
  眞﨑一美(SAL テクニカルスタッフ)
  藤原旅人(SAL テクニカルスタッフ)
  大澤寅雄(アドバイザー、ニッセイ基礎研究所)

 今年度事業の協働団体
  共星の里
  認定NPO法人 ニコちゃんの会
  特例認定NPO法人 山村塾
  NPO法人ドネルモ

■日時・場所
 日時:2020年2月8日(土)14:00-17:00(開場 13:30)
 会場:九州大学 大橋キャンパス7号館1階 ワークショップルーム
    福岡市南区塩原4-9-1

■受講料等
 参加費:無料 (要事前申し込み)
 定員:30名(先着順)

■お申し込み、お問い合わせ
 下記の項目を記載のうえ、電話・メール・FAXのいずれかよりお申し込みください。
またソーシャルアートラボ公式ホームページ内「CONTACT」からもお申し込みいただけます。

《応募締切》
 2020年2月7日(金)

《記載事項》
 ① 氏名
 ② フリガナ
 ③ メールアドレス
 ④ 電話番号
 ⑤ 居住地(都道府県)
 ⑥ 所属(任意)
 ⑦ 受講の動機

九州大学ソーシャルアートラボ
TEL&FAX: 092-553-4552
E-mail: sal-cul@design.kyushu-u.ac.jp
URL: http://www.sal.design.kyushu-u.ac.jp
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■アクセシビリティ
 *研究会では、音声を文字化するアプリ「UDトーク」を活用したリアルタイム字幕をご提供します。
 その他、当日の配慮についてご要望等がありましたら、可能な範囲で対応いたしますので、電話もしくは申込フォームの「自由記述欄」にお書き下さい。

主催:九州大学大学院芸術工学研究院ソーシャルアートラボ
共催:公益財団法人 福岡市文化芸術振興財団
助成:2019年度 文化庁大学における文化芸術推進事業
後援:日本アートマネジメント学会九州部会
協力:共星の里、特例認定NPO法人 山村塾、NPO法人ドネルモ、認定NPO法人 ニコちゃんの会

九州大学ソーシャルアートラボ
 九州大学ソーシャルアートラボは、社会の課題にコミットし、人間どうしの新しいつながりを生み出す芸術実践を「ソーシャルアート」と捉え、新しい生の価値を提示していくことを目的としています。平成30年からは、シリーズ《アートと社会包摂》をテーマに研究・教育・実践・提言の多方面から取り組んでいます。
ウェブサイト: http://www.sal.design.kyushu-u.ac.jp/