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(2019年9月25日開催)文化事業の評価

2019.9.5

現場 × 行政
それぞれの視点をつなぐ

文化庁×九州大学「文化芸術による社会包摂の在り方」公開研究会

☆公開研究会「『文化事業の評価』―現場×行政 それぞれの視点をつなぐ」の報告書を作成しました!
 →ダウンロードは、「報告書(PDF)ダウンロード」をクリックしてください。

 文化事業における「評価」のあり方への関心が高まっています。評価手法に関するセミナーの開催やブックレットの刊行も増えてきました。しかし、事業評価や報告書作成に多大な時間や労力をかけているのに、何に役立っているのかわからないという声も耳にします。  そこで本研究会では、文化事業における評価のあり方について再考を試みました。特に「社会包摂につながる文化事業」に注目し、実践現場や行政で行われている異なる段階の評価について、相互の関係性や接続の可能性に関し情報共有と問題提起を行いました。ゲストの意見を伺いながら、参加者のみなさまとも議論をすることで、何のために「評価」をするのかを立ちどまって考える機会としました。

 9月25日(水)にお茶の水で開催した公開研究会「文化事業の評価」には、関東圏のほか九州や北海道など全国から100名ほどの参加者にお集まりいただき、今回のテーマが全国的な関心事であり、課題であると改めて認識させられました。

 前半は、登壇者3名が「文化事業における評価の現状と課題」(大澤寅雄さん (株)ニッセイ基礎研究所)、「インタビュー調査から見えてきたこと」(村谷つかさ 九州大学学術研究員)、「評価への向き合い方に関する提案」(中村美亜 九州大学准教授)についてプレゼンテーションを行いました。また、プレゼンテーションの内容を受け、ゲストである片山正夫さん(公益財団法人セゾン文化財団理事長)、源由理子さん(明治大学 教授)よりコメントをいただきました。後半は、朝倉由希さん(文化庁地域文化創生本部 総括・政策グループ研究官)がモデレーターとなり、会場からの声を交えながらディスカッションを行いました。

 文化事業の評価に関し、生じている課題は必ずしも文化特有のものではないこと、アウトカム(事業を行なうことで生じる成果・効果)をベースにしたプログラム設計が必要なこと、評価のプロセスは異なる立場で事業に関わる人同士がコミュニケーションをとり共通言語を得る機会となることなど、テーマに関し多くの重要な視点について議論がなされました。(研究会の詳細は、「報告書(PDF)ダウンロード」からご覧いただけます。)

 ご来場いただいた参加者の方々、ゲストの片山正夫さん、源由理子さんには、本研究会やアンケートを通して多様な論点や情報をご提供いただきました。今後の研究につながる多くのヒントをいただけたこと、大変感謝いたします。また、協働団体の文化庁地域文化創生本部とNPO法人 donner le motのみなさん、UDトークスタッフのみなさん、円滑な会運営へのご尽力ありがとうございました。本当におつかれさまでした。本研究会で得られた内容を合わせ、年度末には今年度の研究成果をまとめたハンドブックを出版予定です。引き続きみなさまのお力添えをよろしくお願いします。

■ 公開研究会概要

【登壇者】
 ゲスト:
片山 正夫(かたやま まさお)
公益財団法人セゾン文化財団理事長
1958年兵庫県西宮市生まれ。(一財)非営利組織評価センター理事長、(公財)公益法人協会理事、(公財)助成財団センター理事、(公財)ジョイセフ理事、アーツカウンシル東京・カウンシルボード委員を兼任。慶応義塾大学非常勤講師。著書に『セゾン文化財団の挑戦』、共著に『民間助成イノベーション』、『プログラム・オフィサー』等。

源 由理子(みなもと ゆりこ)
明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科教授
明治大学プログラム評価研究所代表
専門は、評価論、社会開発論。改善・変革のための評価の活用をテーマとし、政策・事業の評価手法、評価制度構築、参加型・協働型評価に関する研究・実践を積む。明治大学プログラム評価研究所では行政、NPO、財団等の評価実践現場を支援。日本評価学会理事。国際基督教大学卒、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士後期課程修了、博士(学術)。

大澤寅雄((株)ニッセイ基礎研究所 芸術文化プロジェクト室 主任研究員)
中村美亜(九州大学大学院 芸術工学研究院 准教授)
村谷つかさ(九州大学大学院 芸術工学研究院 学術研究員)

 朝倉由希(文化庁地域文化創生本部 総括・政策研究グループ 研究官)

 司会
長津結一郎(九州大学大学院 芸術工学研究院 助教)

【日時】
 2019年9月25日[水] 15:00−18:00(開場 14:30)

【参加費】
 500円(日本文化政策学会 会員:無料)*要事前申し込み

【定員】
 90名(先着順)申し込み方法は、裏面をご覧ください。

【会場】
 ワイム貸会議室 お茶の水 Room A
 東京都千代田区神田駿河台2丁目1-20 お茶の水ユニオンビル 4階

【プログラム】
 ご挨拶 三木忠一(文化庁 地域文化創生本部事務局長)
 第1部  プレゼンテーション
 文化事業における評価の現状と課題(大澤寅雄)
 インタビュー調査から見えてきたこと(村谷つかさ)
 評価への向き合い方に関する提案(中村美亜)
 コメント(片山正夫・源由理子)
 第2部 ディスカッション
 モデレーター(朝倉由希)
 司会(長津結一郎)
*当日変更の可能性あり

【主な対象者】

  • 文化事業に携わる行政職員
  • 文化事業を実施している団体や個人
  • 芸術活動と社会包摂に興味のある方

【お申し込み・お問い合わせ】

 下記の項目を記載のうえ、メール・FAXのいずれかよりお申し込みください。またソーシャルアートラボ公式ホームページ内「CONTACT」からもお申し込みいただけます。

 2019 9/20[金]申込締切

《記載事項》
 ① 氏名 ②フリガナ ③メールアドレス ④電話番号 ⑤居住地(都道府県)
 ⑥所属など(任意) ⑦受講の動機
 *日本文化政策学会の会員の方はその旨明記してください。

九州大学ソーシャルアートラボ
TEL/FAX 092-553-4552 MAIL sal-cul@design.kyushu-u.ac.jp
WEB http://www.sal.design.kyushu-u.ac.jp
Facebook:ソーシャルアートラボ

*研究会では、音声を文字化するアプリ「UDトーク」を活用したリアルタイム字幕をご提供します。
*会場はトイレの個数が限られています。また多目的トイレもございませんので、ご利用の方には近隣の施設をご案内します。
*その他、当日の配慮についてご要望等がありましたら、可能な範囲で対応いたしますので、メール・FAXもしくは申込フォームにてご連絡ください。

【会場アクセス】
 ワイム貸会議室 お茶の水 Room A
 東京都千代田区神田駿河台2丁目1-20 お茶の水ユニオンビル 4階
http://waim-group.co.jp/space/ochanomizu/access.html

 アクセス:
 JR中央線・総武線「御茶ノ水」駅 御茶ノ水橋口 徒歩2分
 東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水」駅 2番出口 徒歩3分
 東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅 B1番出口 徒歩4分

主催:九州大学大学院芸術工学研究院ソーシャルアートラボ、日本文化政策学会
共催:公益財団法人福岡市文化芸術振興財団
協力:文化庁地域文化創生本部、NPO法人ドネルモ
後援:日本アートマネジメント学会九州部会
助成:2019年度 文化庁 大学における文化芸術推進事業

*本研究会は、日本文化政策学会会員企画提案制度による「研究会」として開催します。
*本研究会での報告内容は、九州大学が2017年度より実施している「文化庁と大学・研究機関等との共同研究事業」における調査に基づいています。

「はじめての“社会包摂×文化芸術”ハンドブック」
文化庁と九州大学の共同研究チームは、2018年度に社会包摂につながる芸術活動に関するハンドブックを作成しました。詳しくは、九州大学ソーシャルアートラボのウェブサイト(publicationsのページ)をご覧ください。
http://www.sal.design.kyushu-u.ac.jp/publications.html#book